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2011/11/11

Geoffrey Bawa

スリランカの生んだ魅惑的な建築家ジェフリー・バワの建物を見る為、スリランカに行ってきました。自邸、事務所、別荘、ホテルと1週間で9カ所のバワ建築を見て回り、バワの計算された豪快さと細部にわたるディテールを見てきました。

ジェフリー・バワとは

ジェフリー・バワ(1919-2003)は、スリランカにおける建築家の第一人者として知られている。英国で法律を学び一度は母国で弁護士として働いていたがその後建築に目覚め、再び英国で建築を学び38歳で建築家としての正式なキャリアをスタートさせた遅咲きの建築家である。バワ建築の特徴は、その土地固有の素材や建築手法を利用し物理的な形状よりも視覚的体験を重視しているところにある。その建物は、内部と外部の境界を曖昧とし、その土地の地形を活かしながら複数の空間が絶妙なバランスで配置されている。

リゾートホテルの先駆者

スリランカ南西海岸沿いに点在するバワのホテルは、どれも海岸沿いの起伏のある地形や岩を活かし、形状に寄り添うように建築されている。現在、リゾートホテルでよく見られる、プールが海に続いているように見える「インフィ二ティ・プール」の原型はバワのホテルだと言われている。その証拠にアマンリゾーツの創始者は、バワにインスピレーションを受けたと公言もしている。また、回廊は外部に開放された状態になっており、常に海や中庭の木々が連続的に目に入ってくる演出がされている。

自邸 (コロンボ、ルヌガンガ)

バワのリゾートホテル建築は有名だが、もちろん個人住宅も設計している。私はむしろそこにこそバワの設計に対す繊細さを感じた。バワが建築を学ぶきっかけとなったルヌガンガは、亡くなる迄50年にわたり、実験場としてランドケープとの関係性を試みる場であり、それがホテルにも反映された。また、コロンボの自邸は、連続する4軒の中古住宅を9年かけて全て購入。そして各々が繋げられリノベーションされた空間は、心地よい自然光、中庭、そして内部と外部を繋げる建具のディテールが印象的。また、車庫にはバワのロールスロイスとベンツ。

カンダラマ・ホテル

そして、今回の旅で最もスペクタクルだったのがカンダラマ・ホテル。他の多くのホテルとは違い内陸部に位置し、緑生い茂る舗装されていないに近い砂利道を車で10分程行った、湖のほとりに突如姿を表す。全長1kmにも及ぶ建物はほとんど緑に覆われており年月と共に緑に埋もれ森に帰っていく事を想定している。ここでも共用部は外部に開放されており鳥や猿などが姿を現し、自然と一体となった空間が造られている。建物外観は遺跡の様であり、かつホテルとしてホスピタリティーを感じさせる居心地の良さがありました。

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